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白玉は無口で不愛想で友達もあんまりいないようだったけど、(だいたい、ずっと一人だった)顔はかっこよかった。(とても整った顔立ちをしていた。白湯は顔はあんまり気にしなかったけど、今の白湯にとっては白玉の顔は世界で一番好きな顔だった。恋は魔法なのだとわかった)
みじかく整えたさらさらの黒髪をしていて、(マッシュルームヘアのような髪型だった)いつも清潔感があった。白玉からはいつもいい匂いがした。顔は小さくて背は普通くらいで、白湯とそれほど変わらなかった。無口だけど目はいつも強い意志が宿っているような、そんな目をしていた。(ぼんやりとしているわけではなかった)口はずっと閉じていて、鼻はすこし高い。肌は白く体は太くはない。ひょろひょろというわけじゃないけど、きっと力はとても弱いだろう。運動もあまりできないようだった。足もすごくおそかった。(へっぽこなのだ)でも、頭はすごくいい。(それに性格も穏やかで優しい)ずっと住んでいたという外国から日本に戻ってきて、白湯の高校に二年生の春のときに編入してきてから、白玉の成績はずっと一番のままだった。(天才が転入してきたと学校中で評判になった。そしてその評判は冬になった今もそうだった)そして、いつも二番なのが白湯だった。(最初に成績で二番になり、白玉に負けたときは本当に驚いたし、悔しかった。たくさん泣いたし、熱も出てしまって、数日の間、白湯は寝込んでしまったくらいだった)
白玉はいつもみんなと同じようにきっちりと制服を規則道理に着ていて、黒い制服も紺色のセーターも白いシャツも白色の靴下も黒の皮靴もぴかぴかだった。(いわゆる模範的で真面目な成績優秀の優等生だった)
日本語もすごく上手で、外国語も上手だった。(日本語は外国に住んでいるときでも、両親が日本語を家でしゃべっていたので、覚えたそうだった)
白玉の読んでいる本は外国語の本だった。白玉は本を読むときは外国語の本を読むのだ。日本語の本はあまり読まない。(きっと教科書と参考書くらいだと思う)
「白玉くん。人生の楽しみってなにかある?」とクロワッサンをほおばりながらなかなか前に進むことのない私たちの関係に心の中でため息をつきながら、白湯は言った。白玉はちらっとだけ白湯を見た。「読書かな?」と小さな(冷たい)声で、本に目を落としながら白玉は言った。(そんな白玉の横顔を見て白湯はちょっとだけどきっとした)
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