愛しい、僕のヴィオラ―アキラとノゾム―

第2話

 シングルベッドの上に仰向けの状態で、大の字に四肢を縛り付けられた、全裸の青年……


 …どうして…?


 彼の視界に在る物は、何の変哲も無い白い天井と―深紅色スカーレットのカクテルドレスを着た、長い黒髪の女……


 何が…起こってるんだ?


「……ふっ」


 女が艶笑を浮かべ…青年に覆い被さった―


「やっと…手が届いたよ……君に」


「!?」


 その声音も口調も、今迄とは違う…其等は、明らかに―


「…男?

 貴様―

 ん゙んッ!」


 青年の驚愕の叫びは、女のなりを装った男の口腔こうこうに呑み込まれた。


「…んっ…矢っ張り、れてない……

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