第38話

 また、感じられる……


 それだけで…


 ぼくは…


 生きようと思えるんです……!」


「…鋭知さん…」


「だから…


 あなたは…

 ぼくに、しばられなくていいんです…!


 もう…

 『比翼の鳥』の片羽だった事は、忘れて下さい…!」


「…!?」


 ずっと聞きたかった、鋭知の言葉―


 それは即ち、祈への別れの言葉だった……。



「呉竹君…


 君は医療過誤の為に、長期間意識不明に陥り…

 著しい健忘の後遺症を、患う結果となった……


 誓約の通り、賠償を―」


「いいんです。


 その代わりに…

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