御伽話の始まり―十六歳の出逢い

暴走非行少年と、深窓の令嬢

第1話

 某初等少年院…


 一人の少年が、院長室に呼ばれた。


「…呉竹くれたけ鋭知えいち君。

 急な話だが…仮退院の許可が、君に下りた」


「…?」


「解せないようだね……


 当然…

 条件付きで、だよ」


「!?」


「君が提供者ドナーとして、医療行為に協力する…

 受給者レシピエントの調整が出来次第、手術を受けて貰う……


 どうかな?」


「…ありがたい」


「…一刻を争う、患者なのだ。

 検査の結果、君が適合したのは、奇跡と言ってもいい……


 君の意思は、変わり無いか?」


「登録したからには…

 逃げるもんか?

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