第41話

 明良は、理律夫が調律師に、巫琴が音大生になった事で、漸く己を許せる様になり―中学生になった頃から、再び…少しずつではあるが、チェロを奏で始めた。


「アキが弾く、チェロの音…

 温かくて、優しくなったな…?」


「…そう、かな…?(含羞)」


「矢っ張り…

 君のファンが、出来たから?(笑)」


「兄ちゃん…(照)」


 明良と同じ思春期病棟に長期入院している、彼と同世代の少女が、彼の傍で笑う―


「サクノは、サクノあににカオは似てるケド…性格は真逆まぎゃくっぽいね?」


「~ヒメ…(嘆息)」

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