此処から標へと飛べ(ダル・セーニョ)―理律夫と明良…そして、巫琴―

第35話

「……に…ちゃ……?」


 理律夫の姿を認め、ベッドの上でを潤ませる、明良……


 彼は、両手を拘束された儘で、保護室に居た……。


「……先刻さっきやっと、終わったよ…

 少年審判……」


「………」


「全員…

 初等少年院送致、だってさ……?」


「!」


 明良のから、涙が溢れ出す…


「それだけ…?」


 肩を震わせる明良の頭を、肌色の手袋を嵌めた理律夫の掌が、優しく撫でる……


「君は、きっと…

 自分から、全てを知ろうとするだろうから…

 敢えて、云うよ……?

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