第31話 【MOVIE X】オ●ニーよりS●Xしたい!!

 ……飛行機の中で見た夢は””なもんだった。

 だから、決めた。誓った。


 って。


  ガシャガシャ


 ちっ、やっぱ傘鍵かさかぎじゃ無理か。


 よかったよ、こんなこともあろうかと部屋取っといて。


 しかも、


 これならパイプつたったり、しなくて済む。

 もう、が無いからな。

 マジで、ハリウッド映画かよ。


 バリン


 ベランダをよじ登って、間切のいる部屋のガラスを思い切り、ぶん殴った。


 破片が刺さって、痛い。とかじゃ形容出来ないレベルで痛かった。 けど……こんなのは、あいつの蹴りに比べたら、あいつが苦しみ比べたら、俺がすることになる後悔に比べたら、大したことはない。



 中に入るとベットに寝転がる姿と、その上にが見えた


「……はっ……あんた何しに来たのよ!」


「そんなの決まってんだろ!」


 ここで……


『むかえに来たんだよ、お前を!』なんて言えたらかっこいいんだろうな。



「むか……ついたからぶっ壊しに来たんだよ、てめえらの愛の巣を!」



間切そいつに触わんじゃねえよ、!」


 俺はライダーキックばりの飛び蹴りを間切の上に覆い被さる男に食らわせてやった。



「あ゛?」



 そうか……


 それなら俺の家を特定できたのも合点がいく。


「久方ぶりだな……


「ガキィ……。 !」


「俺様はっ……、渋谷に1k買って、渋谷住みってステータスを手に入れて、それなりの人生を送るつもりだったのに……!」


「あ?  何わけのわけんねーこと言ってんだ?」


 ゴッ


 店長の右ストレートを喰らう。


!」


 ゴッ


 左ジャブも貰った。


「けど、まぁそのおかげでよぉ、


「はぁ?」


だからで、してだぁ?  寒いんだよテメーは!」


 ゴッ


 思いっきり右ストレート返ししてやった。


「んなこと言ってねえだろうが」


「るっせえよ、さっさと逝け、このクズ野郎!」


「お前だってじゃねえかよ」


  ゴッ ゴッ

 店長のダブルジャブが俺の肩を襲う。


「ああそうだよ」


「だけど、そんな俺にこいつは一緒に夢の国に行こうって言ってくれた!」


「だから……てめえをぶっ倒して行く!」


「そんなに行きたきゃ今すぐ送ってやるよ!までな!」


 俺の左ストレートを出す。しかし。


 G――


 ゴッ


 カウンターで、店長の裏拳ボディーブローをおもいっきしもらった。


「オメェは相変わらず、よえーままだ。 分かるかァ?  ガキじゃ大人には勝てねーんだよ!」


「……かもな」


 自分独りならそうだった。けど、今は違う。

 俺は黒い巾着からある物を取り出して地面へ。


 バンッ


「こ、これは煙花火!?」


 


 良かったよ、てめえが


 


 ドッ


 


「あああああああいでぇ“ぇ”あfぇ“がァえ”がggあgア“げshへ」


 店長の身体にスタンガンがクリティカルヒットした。


 バタン


「きったねえぞ…………武器スタンガン使うなんt……」


 


「テメェにだけは言われたくねえな、そのセリフ」


 それに……俺の手はどんなに汚れても構わない。を守れるなら。


 ダサくて、みっともないけど、それでもいい。


…………」


 やべぇ疲れた。視線を感じて、横を見る。


 でベットの上に座り込む間切を見て、を繰り返しそうになってくる。俺はそれを必死に堪えた。


 可能な限り目線を逸らすことを善処して、俺は言う。


「とりあ、上着着ろよ……」


「……うっさい、今着るし」


 瞳をうるうるさせながら、ポツリと呟く間切。


 よっぽど怖かったのだろうか、ヤケに素直だ。

いっつもこの間切だったらいいのに、だなんて思った。


 シャツを着終わった間切がくるんと、振り返ってこちらを向いた。


「武器使うなんてダサすぎ」


「ダサくて悪かったな……」


 って…… そんなん今はどうでもいい。


!」


「なんでって……」


「こんなことして、俺が喜ぶとでも思ったのかよ!?」


「……思ったわよ。 ……あたしみたいに勝手であまのじゃくな女、キライでしょ!?」


「……、その言葉通りのお前をな」


「だったら、どうして……!」


「今の俺は……。勝手で、あまのじゃくで、傲慢で、うざくて、わがままで、暴力的で、最低d――」


「はぁ?  わざわざ悪口言いにこんなとこまで来たわけ?」


 間切に途中で遮られる俺。


「待てよ、最後まで聞いてくれ。 それでも……笑顔がかわいくて、一緒に居て楽しくて、なんだかんだ心優しくて、いつも俺の心に光を射してくれる、そんなお前が、


「……は、なっ、何言ってんのよ……」


「だから喜びなんかしないし、こういうことされんのはすごく胸が痛いんだ。だから、もうこういうのはもうやめてくれ」


「……なら。どうしてあの時」


……?」


!」


じゃ次元が違うだろ」


「次元とかそんなの知らない! あたしはイヤだったもん……」


「お前の言いたいこともなんとなく今なら分かる。 けど正直、あん時はさ、お前のことよく知らなかったし。割とお前がどう思ってようと関係無かったんだ」


「は?」


「あんときは、ただ、俺の理念つーか、そんな感じでイヤで……」


「けど、今は違う。お前がイヤってんなら土下座なんてしない。 だから……もう、こういうのは、俺がイヤだから、やめてくれ」


「やめられない……よ」


「は????」


「だって……あんたが傷つくとこ見たくないから」


「じゃあ、また、同じことが、起きたら、!?」


「うん」


「イヤだ、やめてくれよ、


「あたしもやだ。 



 …………………………。


YouTuber


「は? ……なんで!?」


「だって、お前のファンにはいるだろ、店長みたいなやつ。 たぶん」


「お前がユーチューバーやめれば、たぶん落ち着くだろ。 この騒ぎは」




「イヤだ。絶対やめない。 あたしにとって、YouTubeは全てだから。 あんたが何言っても続けるから」




「……は。じゃあもう。また、次同じことが起きたら止めらんないじゃんか」



 また同じことが起きて、またこんな胸を傷めるのか……?


 もっと、こんなもんじゃ済まない、傷みに苛まれることにだって……。


 ……いや。ある。一つだけ、方法が。



「じゃあ俺と一緒に炎上してくれ!!」



「は? あんた何言って?」



「俺も、お前も、同じチャンネルをつくって、やるんだ」


「そんで……お前を傷つけようとするやつは、リアルでも、ネットでも、ぶっ倒す。

 お前のことを守れるようになるから、


「だからお前は、俺を傷づけようとするやつを全員蹴り飛ばしでも暴言でも、なんでもいい。 やっつけてくれ」



「はぁ……? 意味わかんない!  そんなの無理に決まってんじゃん!」



。 ?」



「そうだけど……」



。 



「あんたは何も分かってない! 偉そうに言うな!」


!?」



「たしかに、ある、あるけど……!  あたしと同じ言葉使ったって!  あんたには! !」



「んなこと! ね……」


『んなことねえよ』って言える俺自身が見つからなくて途中で端折ってしまった。


 そりゃ……そうかもしんない。 俺は間切ほどすごくない。 名は少し通ったけど、全て自分の力で勝ち取ったものじゃない。 間切がキレるのも無理もない。


「じゃあ……俺の言葉で話す、それならいいだろ」


「聞いてみてから……じゃない、それは」


  スゥーっと

 俺は深く深呼吸をする。


「俺さ、お前に出会う前はさ、お前の言う通り、マジで同じことの繰り返しで、クソつまんなかったよ」


 ……そう。あんなのは””と同レベルだ。


「けど、お前と出会ってから変わった。お前と出会ってから、ずっと楽しいんだ」


 だから……



「俺はお前としたい!」



「はぁ?? へっ!? はぁ?」


 間切頬がポツっと茜色に染まった。


 ……。


 …………。


 ……………………。


「……、とってよね。」

――――――――――――――――――――

あとがき

ワンポイント秘話


結人「セクスって比喩のつもりなんだけど、通じてるかな」


作者「こももってピュアだから真に受けてると思う」


「こももかわいい(確信)」「頂点=店長はまんますぎ」「読者も逆の立場なら結人と同じ手段使ってこももを助けに行った!」


   と思った方は、フォロー、★評価をよろしくお願いします。


どれも感謝ですが、評価、フォロー、応援の順で嬉しいです。


次回、第1部最終回!!! 結人たちの結末〆をお楽しみに。

-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+:-+:-+:-+:-+

まだ押してないよ! めんどいんだよ!

https://kakuyomu.jp/works/16818093086100014766

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