口を開いた少年―取調室

第23話

「…堀永に、『強姦』された瞬間とき

 僕は、決意したんです……


 こんな男に、『桃治』になれと、虐待され続ける位なら…

 いっそ、『桃治』を演じ切ってやろう、と……」


 某警察署刑事課・取調室。


 侃は―其処で行われた、被害者に対する事情聴取で―終始、松汰の鬼畜極まる加害行為を、己の確信を以て、「強姦」と断じた。


 侃は、智能の高い、賢明な子供だった…


 「もう、失う物は何も無い」と、思い切った彼は―

 敢えて、松汰の望む様に振舞ったのだ……。

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