第21話

 何時もの様に、目を閉じて御覧よぉ……?」


「うん…


 …行ってらっしゃい……」


 部屋の姿見に映る、いだき合う二人の影…


「行って来るよぉ♪


 桃ぉ…

 愛してるぅ……*」


「んっ……」


 唇を重ね合う、彼等…


 目を閉じた儘の松汰を、鏡の向こう側で―


 冷めたをした侃が、見詰めていた……。



「…ピンクのコート、着てるよ…?

 何時もの駅前広場で、桃を見付けてね…?


 じゃ…

 さよなら……」


 12月23日・18時30分―

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