第44話

「彼は、高校を中退していますが…知能が高かったのです。


 そこで、辞書を与えて、本を読ませ…

 教誡師の話を聞かせ…作文を書かせました。


 知性が身に付き、精神面も安定し…

 何事にも、キチンとした対応が出来る様に……


 この点では、かなりの成果が上がりました」


「…………」


「自殺してしまう未成年者が多い中…

 殊に最年少にも拘らず、しっかりと現実を、受け入れています……」


 所内の通路を、所長と歩く、あかり…彼女は、複雑な想いだった。


 明らかに―「数男」は、「飼い馴らされ」つつあった。

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