第16話

 有ろう事か、彼は挑発的に煙草を吹かしながら、斯様にも不遜な文言を書き殴った用紙を、係官にピラピラと示しつつ、そう云ったという……


 A4判の用紙を丸々、五枚集めてみても―この内容…

 調査官達は、最早―「結論」を急ぎたいだけである……。



「…体の方は、大丈夫ですか?」

「…はい。おかげさまで…」


「今日、御話したいのは、他でも無い…


 雲霧巧矢の、今後の処遇に就いてです」


「はい…

 マンションの皆さんから、聞きました……


 でも、私は…自分が『被害者』だなんて、思えません……

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