第42話

 マリナは微笑んで、それに応えた。


「ルカ…


 愛してるわ……!」


 マリナの甘やかななかが、ルカの棒状の熱で、満たされる……。



 数年後―


 巣を掛けた蜘蛛を図案化した、マーカント家の紋章を指差して、幼い男児が訊ねる。


父様とうさま


 どうして、あの印には…

 羽を広げたチョウが、いるんですか?」


「ああ…


 あの蝶は、我家に取って…


 一番、得難い存在を、表してるんだ」


 父の答に、彼は即応した。


母様かあさま!?」


「うん…


 く、解ってるな?

 レオンは……」

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