第26話

 最早、驢馬の皮袋すら持たぬ、私が……


 顔半分に炭を塗った様な、この醜い私が……


 今更、御託を並べる等―」


「ルカ様!?」


 バサッ…!


 書類が、床に落ちた。

 マリナが、ルカの両手を取り―己の胸に押し当てて、彼を見詰める……


「御立派な行いを、貴方がなされば…

 誰も見目みめ等、構わなくなる筈です!!


 私が、そうだから!?」


「マリナ……」


「勇気を、出して下さい…!


 私を…

 信じて欲しいっ……!」


「……


 マリナ……!」



 カツン…カツン…カツン…

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