娘の情愛と、御曹司の素顔

「御顔の状態は、すっかり快くなりました…

　御方様、今後は是非に、屋外の御散策を……」

「…うむ……

　考えよう……」

　ルカの主治医は微笑んで深礼し、退室した。

「…さて…

　引き籠り中に仕上げた、残りの書類だ？」

「？」

「マリナ…

　読んでみてくれ…？」

「はい…

　!?」

「…どうだ？

　死なぬ程度に働かせるには…

　上出来の契約だろうが？」

「…素晴らしいわ…!?

　ルカ様は、矢っ張り…

　偏屈なだけでしたね？」

「…だから…

　何だと云うのだ…(憮然)」

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