第10話

 純白の敷布シーツに紅い染みが、ポツポツと飛散する……。


「フ…

 売笑婦とは、飽きる程ヤって来たが……


 こんなに熱く、肉を燃え立たせた女には…

 逢った事が無い……」


「はぁ…

 はっ…」


「愚かしい、女だ…


 蜘蛛の罠の中に、自ら飛び込むとは……!」


「はっ…」


「貴様も…

 夜の蝶に、堕ちるが良かろう…?


 このマーカントの、御墨付だ…

 その肉体からだならば、客に高く売れるぞ?

 フフフフフ…!」


「はぁっ…!」


 娘の縛めは、既に解かれている―

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