第26話

「はい…


 有難うございます、珠実さん…!」


 死ぬ為に…

 僕は生きる……


 草司は、穏やかな面持ちで、ペンを握り―「沖元草司」と、能筆で自署した……。



「ここが、明日あしたからの…

 アナタの職場よ?」


〝ファミリーマーケット*クローバー〟


 珠実の勤める商社の、流通部門の系列会社が経営する、老舗のチェーンスーパーマーケットだ。


「あ…」


「何?

 拒否権は無いけど?」


「僕…

 子供の頃、ここで…

 何度も万引して―」


「呆れた!?


 入社するなり、窃盗とか…

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