第4話

 フラリと、少年はち上がった。悪口あっこうを叩き続けている珠実の背中を、影の様に追う彼……


「オヤになんか、なるもんか!?

 うるさい…


 ケッコンとか、コドモとか…

 知るもんか!!」


 会社が借り上げている、オートロック式のマンション―無防備にも、元々施錠していなかった自室の玄関扉を開けるなり、珠実は沓脱からの上がり口に、大の字に寝転がった。


「………」


「!?

 何―」


 珠実の目の前が、突然暗くなった―瞬間、彼女の憶えぬ少年が、彼女に覆い被さって来た。


「はぁっ…

 はぁっ…!?」


「や…

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