第53話

「!!」


「量大……


 御前は、その障礙しょうがいを持ちながら…

 彼女を幸せに、出来るのか?


 何年、御前のエゴで…

 彼女を過去に、縛り付けてるんだ?」


「……!」


「御前が真剣ほんきで、松下さんの幸せを考えているのならば…


 どうする可きかは、既に分かっている筈だな…?」


「………


 はい……」


 小雪と同様に―量大も又、彼女と別れさせられようと…

 だが彼は、父の言葉に従った……。


「…最後に、ちゃんと別れて…終わりにしなさい。


 さあ…おいで……?」


 量大は、彼の父に伴われて、マンションを後にする…永遠に……。

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