第22話

 彼は、自分の脚を失って迄も、己を助けてくれた…


 そんな彼に今更、己が何を云えるのか……!?


 到底言葉に出来ぬ想いに、涙する小雪…


 そんな小雪を、量大の綺麗な黒い瞳が、優しく見詰め…彼は、彼女に云ったのだ。


「何故…謝るの?


 僕の脚は…僕が怪我したからなのに……」


「…さ…おとめ、くん……?」


「『量大』で、いいよ……


 僕も…名前で、呼ばせて貰うから……」


「…うん……」


「小雪さん…

 二人ぼっちに、なっちゃったね……?」


「うん……」

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