第30話

 エロスの『エ』も知らぬ二人が、出逢い…此処で、学び……


 今では―三人の子供の父母おやでありながらも…いまだに性の美学を、求めて止まないのです…」


 ステージ上では、瓊一が―詩織の背後から、鎖を手繰り―彼女を引き寄せている…


 モニターの画像が切り替わり―真昼の高層階の、大窓からの眺望が展開する…硝子越しに広がる、抜ける様な青空……


「海棠ベイサイドホテルの、ロイヤルスイートルームは…何故この様に窓が広いのか?


 御明察でしょう…」


 瓊一は、鎖を巧みに操りながら、詩織の唇を吸う…


「…フフフ…?

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