第28話

 瓊一のプラチナカードを確認して、興行総支配人は、「御芳名録」の記入をうた。


「VIPの方からは、一切会費は戴きませんので…

 配当金は、個人口座振込で……。


 …お美しくなられましたね…?奥様……」


 軽く社交辞令を交わすと、瓊一と詩織は、彼等の名が記された、「控室」へと入った。


 其処には既に、携行品が運び込まれている……


「………」


 瓊一は、その中から、堅固なスーツケースを選び取り、詩織に示す…彼女は黙って、彼に頷いた。

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