第11話

「あなたのせいじゃないわ……

 ナプキンあるかな……?」

「…うん…僕が……

 あったよ?」


 彼は躊躇わず、生理用ナプキンを手に取って―ソッと彼女に手渡した。


「ありがとう……


 私…詩織……

 麻倉詩織よ…?」


「……僕は……

 海棠かいどう瓊一けいいち……」


 やっと二人は、名乗り合った。

 そして、それから程無く―極度の疲労も手伝って―彼等は、共に半裸の儘…一つのベッドの上で、泥の様に眠った……。

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