あおいそら

エプロン姿が様になる青少年。それが赤倉遼(あかくらはる)だ。


肩まである髪をしっかり結び、園児と遊んでいる。


そろそろ御迎えの時間で、門の向こうまで手を繋いで順番順番に連れていくところである。


自動車の行き来する音や親御さんの声がする賑わしい時間でもある。


「じゃあな!」「あ、走ると危ないぞ!」


忙しい時間でもある。4人で小ぢんまりと切盛りする田舎の保育園だ。


「いつも有り難う!」


「気にするな。」


「うん!気にしない!」


「少しは気にしろよ。」


「えー?」


言ってると、もう園児も親御さんもいなくなった門の向こうに青少年がひとり。


「櫻さん」


「晴~♪御仕事終わったの?」


「ああ、そっちはまだの様だが」


黒崎晴に緑苑坂櫻が激突しそうな位、抱きついたところである。


「こっちは気にしないで良いぜ、晴!」


「すまない」


他のスタッフさんと手を振りながら園の中へ入る遼。


横目で二人がキスを交わしているのが見えた。






赤倉遼は私の幼馴染み。


黒崎晴は、私の最愛。

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