第4話
高級そうな腕時計に目をやってさっさと自席に戻っていくあいつのなんて自由なことか。
傍若無人な鷹。下界で何が起こっていようが我関せず。鷹を目指してバタバタと必死にもがく雀の存在になんて一瞥もくれない。あいつはそんな男なのだ。
「くぅううう、むっかつくぅ……」
周りに聞こえないボリュームで呟いて拳を握る。
細かい針が密集したように尖っていた先ほどまでの感情は、彼の心無い一言により強固な集合体となり、巨大な剣を作り上げた。
あんなやつ、嫌い、嫌い、だーーーーいきらい!
次こそ……、次こそは絶対にあいつに勝って、ギャフンと言わせてやるんだから!
私のやる気を削ぐのがあいつなら、私の反骨心を煽るのもあいつだなんて、なんとも癪なのだが……こうして毎月の恒例行事も無事終了。
今月もまた、私、
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