クズな君とは、さよならだ。
第1話
『それでは歌ってもらいましょう、国民的グループへと成長を遂げたLUSHの最新曲「GOOD BYE」です』
眩しいほど煌めくステージ。観客からの悲鳴に似た歓声。
テレビの中でキレのあるダンスとのびやかな歌声を披露する彼らは5人組の国民的男性アイドルグループ【LUSH】
歌、ダンス共に定評があり、デビュー曲は史上最速でミリオン達成。
ドラマにバラエティ、モデル活動などメンバーそれぞれが多方面で活躍中。
そんな彼らの最新曲が地上波初披露。
今頃、彼らのファンはテレビにかじりついて、その勇姿を目に焼き付けているに違いない。
曲の中盤で音楽がスッと消えたと思えば、ある一人のメンバーが画面にアップで映された。
その刹那、
『GOOD BYE…』
綺麗な顔が切なげに歪み、囁くような繊細な声が流れ出ると、一拍の間の後、「きゃあぁあ」と一際大きな歓声が上がった。
透けるように滑らかな肌、長いまつ毛に縁取られたぱっちり二重の瞳はビー玉のように美しい。
LUSHの不動のセンター、
デビュー時から奇跡の美少年と持て囃された彼も今年で25歳。
最近では恋愛ドラマへの出演も増え、色気が出てきたと専らの噂だ。
「…ふ、ちょっと笑えばキャーキャー騒いで、ちょろいよなぁ」
「…」
「世の中、結局は顔な訳よ」
洗濯物を畳みながらテレビに目を向けていた私の後ろから飛んできた人を嘲笑うような嫌な声。
しかめた顔を彼に向けると、テレビと同じ綺麗な顔が「ん?何か間違ってる?」とわざとらしく可愛い笑みを見せる。
「イエ、何モ」
「だよな、恵が俺に文句言えるわけねーよな?」
「…」
この明らかに性格の悪そうな男は、到底信じられないけど、画面の向こうで天使の笑顔を振りまくこれと同一人物。
アイドル、長谷川要は、
私、
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