二十三の丙 楚人沐猴而冠
このころ項羽は、ひそかに
何人もの諸侯を
項羽は、信頼できる
すると、1人の臣が、こんな報告を持ってきた。
「最近、多くの子供たちが、怪しげな歌を歌っております」
これに興味を抱いた項羽は、晩の頃、一般人の服を着て身分を隠し、こっそりと街に出た。
1人の人がいて
壁の向こうで鈴を鳴らしている
ただ音だけが聞こえるが
その姿は見えない
確かに、
項羽は、子供を呼び止めて
「その歌は、誰から教わったんだ?」
子供が答えた。
「夢の中で天から教わったんだ」
項羽は驚いた。
「これは天のお告げに違いない!
『故郷の
この
*
翌日。
項羽は大将たちを集めて言った。
「最近、上天が歌を
お前ら、なんでこのことを俺に報告しなかったんだ!
いいか、歌詞の中の『今ひとり有り』。この『ひとり』とは俺のことだ。
『壁を
そして『富貴にして
この歌詞は、俺の気持ちをピッタリ代弁してくれている。
一方、
これは、まさに帝王の
しかも、俺の故郷でもある!
というわけで、
しかし、ここで
「恐れながら申し上げます。
この歌の詞は、すべて人間が作り出した言葉。上天の意志などではありません。
ここ関中は、
四方を
東には黄河と
西には
南は
北には
すべて合わせて百二
かつて
それなのに、覇王陛下は、どうして子供の歌などを信じて、王者が
項羽は、
「お前は関中に
俺が
1つ目は、俺は3年に渡って
2つ目は、関中は山が多くて平地が少ないので、風景を見ようとしても遠くまで見えない。
3つ目は、上天が歌を
もう
しかし
「陛下! 陛下は、四海(世界)の君主として、太陽が天の中心にいるのと同様に世を照らしておられるのです。
陛下を
それなのに、なぜ故郷へ帰ることを栄華と考えなさるのですか。
高名な
陛下がどこにおられようと、この中国すべてが陛下の土地なのです。どうして
項羽は笑った。
「お前の言ってることは矛盾してるぞ!
天下がみんな俺のものなら、なおさら住む場所は俺の自由にして構わないじゃないか」
「以前、
陛下、どうしてこれをお忘れになるのです!」
と、ここまで聞くと、項羽は表情を一変させた。
「俺は天下を
おしゃべりが過ぎるぞ、
さすがの
*
項羽の前から退出した
「
この小さなボヤキが命取りになった。
どういう
(つづく)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます