第13話

「なぁ、」



低い、でもまだどこか幼さを含んだ声が背後から聞こえた。




自分の記憶にはない声に警戒するどころが、むしろ安心してしまった。




「体調、へーき?」



目が醒めるような金色の髪をアップバングにした見た目から不良の烙印を押されそうな少年がいた。




「あたし、京都駅にいた、の?」


久々に出した声は掠れていて。






「とりあえず、ちょい待ってて」


あたしの声に反応した男の子は立ち上がると襖をあけ、外にいたらしい人に何かを言っていた。

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