ONE

第2話

「…おい起きろ」





誰かがあたしの身体を揺すりながら起こそうとしてくる。








愛波アイナ起きろっつってんだろ」



ぼんやりと未だ覚めない頭で目を開けた。






視界に入ってきたのは男の身体と鮮やかな紅い鯉の絵。








「んー…。今何時ですか?」



隣にいるこの男はかれこれ半年くらいの関係になる地元の先輩兼セフレ。



「16時。今日夜からコンパだって言ってたろ」








彼の7分丈の長さまである墨を撫でながらぼんやりと頭を覚醒させていく。

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