許せない

第3話

『許せない、許せない。何が番だ』


誰かの声がする。


『殿下に愛されないように、お前に魔法をかけてやる』



「いやっ!」


セレイアは飛び起きた。


怖くなって自分を抱きしめる。

一体どんな魔法をかけられたのだろうか。

鏡を見ても変化はない。


「セレイア様大丈夫ですか?」

叫び声を聞きつけメイドのロロがドアから覗き込んでいる。


「私、大丈夫かしら?」

「証が痛むのですか?」

ロロにはわからないみたいだ。


「いえ、そういう訳ではなく、さっき……」

説明しようとしても口が動かない。

どう頑張っても口が動かない。


「ん、もう! どうして?!」


魔法の事を誰かに伝えなくてはと思うのにうまく行かない。




×××

アレクサンドリアはこんこんと説教されていた。

「長いこと番が見つからないから、やけ酒して泥酔していたとはいえ、一度目の初夜とも言われるのです。人前で証を付けるなんて!」

もう済んだことなので取り返しがつかない。


そんなことよりセレイアに会いたい。


なんせ自分の可愛い可愛い番だ。

「あれからセレイア嬢はどうしている?」

「寝込んでいるらしいです。大勢の前でけがされたので」

「言い方!気を付けろよ」

アレクサンドリアは説教の途中だが、出掛けることにした。


「殿下どこに?」


「決まっているだろう」

結構な高さのある、お城の窓から飛び降りた。

アレクサンドリアは金の竜になり飛んでいった。


「殿下の阿呆――!」

(聞こえているぞ)

臣下が放った悪口、そんなことはどうでも良かった。

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