第43話武田勝頼、出陣

昌景は、駿府城の修繕に取り掛かった。


「夏希、部屋は俺と一緒にするか?」

「結構です!」 

「ガキ。」

「うるさいっ。」


ある農民達が駿府城へやって来た。


「新しい武田の殿様。今年は不作でして、これだけしか年貢が、、、。」

「それだけあれば充分だ。必要以上に年貢は取らないよ。」

「ありがとうございます。助かります。殿様が今川様から武田様に変わって良かったな。皆。」

「んだんだ。」

  

農民達は、喜んで帰って行った。


「昌景は、良き城主になる!」

「なって見せようじゃん。」


躑躅が崎館。


「父上!何故なにゆえ、今川氏真を逃がしたのですか?」

「我が武田が強すぎると、包囲網を組まれるからぞ。」

「そうですか。ならば上杉と戦わせて下さい!先の戦では、武田は総崩れとなっております。」

「夏希殿は、上杉との戦、反対しておられる。ちょっかいを出す程度なら良いぞ。」

「承知しました!」

「馬場と行くが良い。」


武田勝頼は馬場と春日山城に出陣した。


「殿!武田勝頼が春日山城に向かっております!」

「景家、そちが出迎えてやれ。」

「承知!」

武田勝頼と柿崎景家は迎え打つ形となった。

「勝頼ごとき、殿にお目にかかろうとは百年早いわ!」

「ほざけっ。」

武田勝頼と景家は槍を交える。猛将の景家の方が、やや上手。馬場が助太刀に入る。 

「勝頼殿。もう充分です。兵を退きましょう。」

「うむ。」

勝頼はやむを得ず返事をした。


躑躅が崎館。


「父上。すみませぬ。」

「勝つことだけが最善とはいえぬ。兵を退くのもまた、勝利ぞ。」

「父上、、、。」

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