第6話

私は両親が弁護士で、一人娘の私は、幼少から跡取りを期待されていた。



18歳の時、両親の事務所で5年以上働いていた男の人を好きになり、親公認でお付き合いをして、だ。




大学3年のクリスマスイブに別れた。




理由は、付き合っていたその彼が、一夜の遊びで身体を重ねた相手を妊娠させて、彼はその女性との結婚を選んで私と別れた。


と言う安くて薄っぺらな理由だった。



でも、結局、遊び相手の女性の妊娠は嘘で。



結婚を選んだものの、嘘が発覚してまもなく彼はその女性と結婚する事無く別れ、でも仕事も辞めて、街を去った。



私は、未練たらたらな位、彼が好きだった。


浮気されても、彼が他人の女性を妊娠させても、私と別れても、別な人と結婚することを選んでも、まだ好きで、彼が女性と別れたと知った日。


私は彼を待っていた。


彼が戻って来る事を信じて。

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