第23話
莉子を探しながら歩いていた私を見つけるや否や、莉子が駆け寄ってきた。
そんなに急いで話したいことがあるの?と首を傾げていると、
「いと!さっきいとに会う前に聞いたんだけど、昨日経済学部の子に文句言われたんだって?!大丈夫?」
すごい勢いでそう言われた。
あーなるほど、そのことね。ていうかあれ、経済の子だったんだ。
そう冷静に考えていると、莉子がぶん殴ってくる!と息巻いて歩き出そうとしていたから慌てて大丈夫だよ、心配してくれてありがとう、と伝えるとガバッと抱きつかれた。
何事かと思っていると、私に抱きついたまま、よかった、と言葉を溢す莉子に心があたたかくなった。
いい友達持ったなあ、としみじみ思っていると、ふと思い出した。
そういえば私も莉子に話があったんだった。
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