第70話

「桃ちゃん、私人魚姫やりたい」



「いいね、鈴っぽい。でもどうして人魚姫なの?」



「…るかくんに人魚姫似合うって言われた」



「可愛い奴め」



「うるさいよ桃ちゃん」



「ふふ、ごめんね」



拗ねたように言えば頭を撫でられて終わった。"ほら、安西さんに言ってきな?"って桃ちゃんに言われたから言いに行く。



人魚姫やりたいって言ったら安西さんは快くOKしてくれた。私の衣装決まっちゃったよ。桃ちゃんの衣装のことを考えていたらもう既に彼女の中でやりたいものは決まってた。



「鈴が人魚姫ならその話関連のがいいな…」



少し悩んだあと桃ちゃんが出したものは"王子様"だった。桃ちゃんが王子様とか死人でますよ?私のこと殺す気?そんなのかっこいいに決まってるじゃんか。



「桃ちゃんが王子様って私得すぎない?」



「ふふ、人魚姫と王子様の格好で一緒に回ろうね」



「もちろん一緒に回る!」



一緒に回る約束もして桃ちゃんが"人魚姫の王子様"をやると安西さんに言ったら



「いいお客さん集めになるね!2人とも美しい顔してるから頼んだよ!」



と言われてしまった。少しでもクラスに貢献できるなら宣伝くらいやりますけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る