その一言で頑張れる

P.40

次の日も、その次の日もメッセージを送った。


送ってもすぐに返ってくるわけじゃないから回数にしたら多くはないけれど、途切れることなく続いていた。



土曜補講以外の時間にも繋がっていられると思うと、嬉しくて、携帯が鳴るたびニヤける俺は、傍から見たら気持ち悪いだろう。


部屋に一人だけでよかったと思う。



やり取りは途切れることなく続く。



それを嬉しく思う反面、一抹の不安を感じていた。



こっちから送るメッセージには必ず返してくれるけど、美波から来ることはほどほどない。


それなのに、毎日のように連絡するのは迷惑じゃないだろうか。


しつこいかもしれない、と。



返事が遅いのは忙しいからなのかもしれないのに、こうやってやり取りできることが嬉しくて、自分のことしか考えていなかった。


そこがやっぱりガキなのか…。



「美波、最近忙しい?」


「え?なんで?」


「あ、いや…」


「あ!私、返信するの遅くてごめんね?別に忙しいわけじゃないんだけど…」


「それは別にいいんだけど……迷惑かなって…」


「ううん!!迷惑なんかじゃないよ!!私そんなに携帯見ないから、メッセージ来るの気づかないことが多くて……」


「そう、ならよかった」


「咲也くんの方こそ大丈夫なの?ちゃんと勉強してる?」


「あー…、まぁ」


「勉強に支障があるならダメだよ?」


「んー、じゃぁ電話にしていい?」


「電話?」


「うん、眠い時とか疲れた時とか、電話したらリフレッシュできると思うから」


「あーそうだね。いいよ、夜なら出られると思うから」


「うん、じゃぁそうする」



メッセージのやり取りの方がずっと繋がっていられるからいいんだけれど、しつこいと思われるのも嫌だし、返事が気になって集中できないこともあるから、美波がそう言うならそうしようと思う。


少しでも君と繋がっていられるなら、それでいい。

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