第50話

口内の乾きで目を覚した。



何度か瞬きをすると、目が慣れて視界がはっきりと見えるようになった。




飲み物を取りに行こうと思って、起き上がると、サイドテーブルに水が置いてあった。




「神代くんが置いてくれたんだ…」




その水を喉に流し込むと熱い口内が冷えていった。



水をサイドテーブルにもどして携帯で時間を確認すると1:46と映し出された。




「あれ……神代くんは…?」




ふと、疑問に思いもう一度携帯を見るがメッセージが届いてるわけでもなかった。




だいぶ軽くなった体を起こして、リビングまで向かう。




「帰っちゃったかな…」





扉を開け、部屋の中へ進むとベランダに繋がるガラスドアから月の青い光が差し込んでいた。



ベランダの方に進もうとすると、ソファの上で何かが動いた。




反射的にそちらに目を向ける。





「………いた」





毛布にくるまる神代くんがいた。

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