第5話
呼吸を整えて、インターフォンを押す。
ドクン…ドクン………
「どーぞ」
インターフォン越しの気だる気な声にビクリと体を震わす。
大きく息を吸って吐く。
「あ、あの…今日はここでいいから……っ」
やっと喋った言葉は緊張しすぎて震える。
神代くんの返事を待たずに口早に要件を伝える。
「も、もう、こんな関係やめたいの…!もう、あたしに構わないで…っ、さようなら………!」
言いたいことを言い終わると逃げるように、エレベーターに向かって走り出す。
先程乗ったエレベーターは数階下に行き、後3階でこの階だった。
言い終わったことで、気が抜けてたのかもしれない。
本当にあたしって馬鹿だ、と何度も悔やんだ。
あの時、階段で降りてればと、何回も後悔した。
40階に止まり、ゆっくりと開かれた扉の中に入ろうとすると、後ろから誰かに腕を掴まれる。
嫌な予感とかじゃなくて、当たり前だと思った。
あたしの足じゃ絶対に勝てないし、そもそも言ったことに満足してあとのことを考えてなかったあたしが馬鹿だった。
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