第2話

「なぁ、気持ちいいんだろ?言えよ、俺に強引に犯されて気持ちいいって」



いつも彼はあたしに気持ちいいと言わせたがる。




でも、絶対に言わない。



これだけは、1度たりとも言ったことはない。





「ぃや………っ!」





それで彼が許してくれるって?



そんなわけない。




「じゃあ、イカせてやらねえから」




にこやかに笑っていた顔は、無表情になり、自分だけがイケるように動き始める。





物足りなさを感じてる自分に嫌悪する。



あたしのカラダとココロは、お互い喧嘩していてどうすればいいのかもわからず、ただただ泣くだけ。





それを見て、彼はあたしを甘やかす。





「なぁ、お前が悪い子だから意地悪されるんだろ?」




これ以上ないくらい、優しく甘くあたしを誘惑する。




「こういう時は、どうするんだっけ?この前、教えてやっただろ?」




そう囁きながら、あたしの頬を優しく撫でる。




そして、次々流れる涙を指で拭ってくれる。




だから、こんな状況なのにいつもいつもねだっちゃうんだ。






「…っこんなんじゃ、やだ…っ、もっとちょうだい…っ」






あたしがねだれば、自分のネクタイで結んだあたしの腕を解いて、自分の首に捕まるように持っていく。




「いいこ…力抜きな。最高によくしてやる」





的確にあたしのイイところを責め立てる。



そして、イクまでずっと優しくあたしの頭をなでて、呼んでくれるんだ。










"沙桐さぎり……"

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