パラサイト・プロジェクト

第8話: 壊滅の兆し

廃墟の中で繰り広げられた闘いは続いたが、パラサイトの圧倒的な力に、ユウタたちは徐々に押し込まれていった。感情をぶつけるたびに、彼らの体力が消耗し、周囲の空気は重くなり、苦しさが増していく。

「もっと強く…！」アキラが叫び、力を振り絞った。彼の心の中には、家族や友人たちとの楽しい思い出がよみがえり、それが彼の力となった。「私たちの思い出を忘れないで！」

しかし、パラサイトはその力を逆手に取るように、彼らの恐れを増幅させていた。「無駄だ、無駄だ。お前たちの感情は、私のエネルギー源にすぎない！」パラサイトの声が耳に響く。

サトルは息を切らしながら言った。「私たちが感情を失ったら、アクアディアは終わる！もっと、もっと感情を込めるんだ！」

ユウタはその言葉に応え、再び心の奥深くから感情を引き出す。「私たちが大切に思っている人たちのために、絶対に負けるわけにはいかない！」

その瞬間、彼の心に浮かんだのは、アクアディアで過ごしたすべての楽しい瞬間だった。仲間と過ごした日々、街の人々との温かい触れ合い。それらが彼の心を満たし、力を与えてくれた。

「そうだ、私たちの感情を一つに！」アキラが叫び、サトルも続いた。「その思いをぶつけよう！」

三人は再び心を合わせ、パラサイトに向かってエネルギーを解き放った。その瞬間、光の弾丸が廃墟の中を貫通し、パラサイトの影を切り裂く。しかし、その光はパラサイトにダメージを与えることができず、逆に彼らの力を吸収しているようだった。

「しまった！彼が私たちの力を吸収している！」ユウタは叫んだ。恐怖が彼の心を包み込み、絶望感が広がった。

「このままでは…私たちも彼の餌になってしまう！」サトルの顔は青ざめていた。