第2話

猫をね、拾いました。


バケツをひっくり返したような雨と、厚い雲に覆われた仄暗い日のことでした。


猫は手首から血を流していて、息も絶え絶えにアスファルトに伏せていました。



夜も近かったからでしょうか。


雨と血が滲み、まっ黒に染まるアスファルト。



私は猫に傘を差し出しました。


猫は瞳を上げただけでピクリとも動きません。


それでも傷ついた猫は息絶えることなく、虚ろな青い目はあたしを見つめたまま離れませんでした。

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