プロローグ

第1話

季節はめぐり、過ごした日々は色褪せ、今はもう、笑顔を思い出すことすら難しい。


距離の測りかたなんて一つではないけれど、でも傍にいてくれたら何かが変わっていたのかもしれない――…と、そう悔やんでしまうのもまた事実。



あたしはもう、引き返せないところまで来てしまっている。


過去を忘れ、愛しい人に呑まれ、そしてたまに振り返ってしまう。


懐かしんでしまう。




あとにはもう戻れない。


過去にももう戻れない。



それは全部。


全部、全部――…


勝手にいなくなってしまった君のせい。

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