高校の入学式にタイムリープしたので、諸悪の根源である悪友たちとの関係を絶ち切って後悔していたことをすべてやり直していたら……1周目では悪友たちに奪われた美少女全員に惚れられてるんだが!

踊る標識

プロローグ

「俺の人生、なんでこうなったんだろう……」


 時野ときの 拓朗たくろうはバイト帰り、誰もいない道路で1人呟いた。


 彼は自分の人生に後悔しかなかった。今年で28になるというのにいい年してフリーターをしている。


 なんとか派遣のバイトで食いつなぐ毎日。ただでさえ生活が苦しいと言うのに、今月も悪友の4人から金を貸してくれと言われ、手持ちの金は底をつき始めている。


 すべてはあの悪友たちとの関係がいけないのだ。それはわかっている。しかしそれ以前に、関係を切る勇気がない自分が悪いのだ……と彼は思う。


 生きることに疲れた拓朗には、彼らに反抗するだけの力ももう残されていなかった。


(もしあのとき、あいつらに反抗して俺の力で大切な幼馴染を守っていれば……いや、今さら何を思っても無駄だな)


 拓朗は高校生の頃に思いをはせる。今さら思い出したところで意味のないあの頃に……。


 しかしその瞬間――


「えっ……!」


 拓朗は視界が真っ白になり、意識だけが超常的な次元をものすごい勢いで駆けめぐっているような感覚を覚えた。


 次の瞬間。彼は高校生の姿で、入学式に参加していた――

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