第49話
寝室に入ると、リョウは仰向けでスマホをいじっていた。
『…………』
入り口のスイッチを押して部屋の明かりを消す。
「………舞?」
いつもはベッドでウダウダまどろんでからリモコンで明かりを操作するから、入り口から消すのはリョウも想定外で少し驚いたみたい。
よし。
ゆっくりベッドに膝をついて上がり、ゆっくりリョウの身体に小さいながら覆いかぶさる。
「…………」
目がまだ慣れていないけどリョウは私の様子をジッと見てるようだ。
自分が上でリョウを見下ろすなんて滅多になくてそれだけでドキドキした。
ゆっくり自ら口唇を求めて沈み込む。
一度触れてすぐ離す。
もう一度。
三度目は舌を割って入れる。
積極的に普段リョウがしてくれてることをやっていく。
室内にいやらしい音が響き、それと同時に息も上がってきた。
リョウもちょっと興奮してくれてたら嬉しい。
まだ私の様子を見てるかのように何も話さずただその行為を受け入れてくれている。
何度かそれを繰り返して。
あれ、このあとどうしたらいい?
菜穂はそれで王子も大興奮やでって。
…大興奮…??
応えてはくれてるものの冷静じゃない?
どうしよ。
「……………」
至近距離で見つめ合う。ちょっと目が慣れてきた。
「……終わり?」
リョウが下から問う。
余裕そうなのが悔しい。
「……もっと」
両頬を覆われて口唇を重ねてきたリョウ。
その気にはさせた、のかな。
あ、でも私のターンが終わっちゃう。
「……………」
また離れて至近距離で見つめ合う。
「仕掛けてくれんじゃないの?ずっと待ってんだけど」
『え……』
「海のあとは激しく燃えるんだろ?」
『聞いてたの?!』
「あれだけデカい声で喋られたらな。…ぎこちないのもいいな。これはこれで興奮した」
『ひどい。恥ずかしすぎるっ』
ぽすっとリョウの胸にダイブ。
そのまま上下反転して、興奮したリョウにいつも通りリードしてもらう形になってしまった。
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