第42話


お昼ご飯は各自で持ってきていた。


私は二人分のお弁当とみんなで軽く食べやすいようなサンドイッチを作っていて。



菜穂は大量のおにぎり、美緒は圭介くんが途中で買ってくれたお弁当屋さんの唐揚げBOX。


八重ちゃんは手作りスイーツ。



打ち合わせしてないのにバランス良く分散されたみたい。



余るほどのお昼ご飯にみんなお腹いっぱいになり、男性陣はタープの中で寝転んで休憩時間に入ってしまった。




私が食べ終わったお弁当の残骸を片付けてる時。




「舞さん舞さん」



八重ちゃんが何やらコソコソと怪しい動きを見せる。



『八重ちゃん。どうしたの?』



「久しぶりなのにあれなんですけど…また話聞いてもらっても良いですか??」



『あ、いいよ。私も八重ちゃんと話したかったし』



菜穂美緒はお手洗いにちょうど行ってたので、唯一起きてた圭介くんに声をかけて少しだけ離れた波打ち際に二人並んで座った。



膝辺りまで波がかかって気持ちが良い。




『なになにー?また楓先輩のこと??』



「そうなんです……」



トーンがおちた。え、まさか。





『…上手く行ってない、の?別れたいとか…言わないよね…??』



だってさっきまでめちゃめちゃ触れ合ってたし…沖でもずっと楽しそうだったし…




「全然!そんなことはないんです。ものすごく円満です」



だよね。良かった、心底ホッとした。



じゃあなに???




『あ、相談とかじゃないのかな?なんだろ、あっ、ノロケだ!』



「いや〜…ノロケ……の部類かもしれないんですけど」



え?なんなんだろ。ものすごく言いにくそうな八重ちゃん。



『えーホントなにー??』







「あの……舞さんは彼氏さんと、その…エッチする時……ど、どうしてますか?!」







え。




『えぇぇ?!急だね…そっちの話かぁ。……私すごく苦手なの。あんまり八重ちゃんが求めてることは言えないかもしんない』



「あ、ごめんなさい…!エッチが苦手でしたか!それは本当すいません」



『あーそれは苦手じゃなくて、そっち系の話が…って私なに言ってるんだろ。ヤバいね、今の否定ね。それが好きみたいになってるよね。あーなに言ってるんだろ』



テンパって話せば話すほど変な方向にいってしまってすごく恥ずかしくなった。



「舞さん、顔真っ赤。可愛すぎます。あんまり可愛い顔してたらナンパされちゃいますよ。冷静に聞いてください」



冷静に冷静に。私も自分に言い聞かせる。




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