第2話
[ニッシーだよ。あいつ、バッシュを新調したいらしくて俺に着いて来てほしいんだと。面倒だけど他みんなに断られてたから俺が捕まった]
[あはは、リョウ先輩優しいもんね。それって私も行っていいの?]
[別に無理にとは言わないけど。ニッシーも舞に会いたがってるから]
[うん、分かった。私も行きたい。どこに行けばいい?]
[桜井町駅に14時で。来れる?]
[大丈夫。楽しみにしてるね]
やった。リョウ先輩に会える。ニッシーともゆっくり話すの久しぶりだ。本当に楽しみだ。
次の日。ルンルン気分で待ち合わせ場所に向かった。楽しみにしすぎて13時40分に駅に着いてしまう。二人の姿はまだない。
10分後、先に現れたのはニッシーだった。寒さに弱いのか、身を縮めて歩いて来た。
「おっす、舞~!久しぶりじゃんかぁ!元気にしてたか??」
『こんにちは、ニッシー先輩。元気だったよ。先輩も相変わらず大きいね』
「大きいってなんだよ。寒くない?結構早くから待ってたんじゃねぇの?リョウに会いたすぎて」
そういえばニッシーとはあの非常階段以来、廊下ですれ違うことはあったものの、直接会ってゆっくり話すのは初めてだ。
あの時....リョウ先輩とkissしようとしてたところや、密着してたところを見られてる....
思い出していきなり恥ずかしくなってきた。身体毎改札口の方に向けてそれをごまかすようにリョウ先輩を捜すフリをする。
「ははっ、舞ちん、可愛いなぁ」
次の電車がホームに入って来た。リョウ先輩はこの電車に乗ってるだろうか。その電車に乗っていた乗客が次々と改札を抜けて通り過ぎて行く。
あ、いた。
カーキのミリタリーパーカーをかっこ良く着こなしたリョウ先輩が颯爽と現れて迷いなく私の方へ向かって来た。
あぁ、久しぶりのリョウ先輩.....カッコイイ...
ボーッとその姿に見惚れていると、
「遅くなった。ごめん」
フワッと包み込まれてた。
リョウ先輩...ニッシーもいてるのに。でもそのハグに会えなかった分の愛情が込められてることが感じられ、とても心地良くてすごく嬉しかった。
ニッシーもその様子を茶化すことなく柔らかい表情で見つめている。
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