【エピソード感想】夕暮れの白鳥 ―最強兵器の生体ユニットが人として救われる道―/幸/ゆきさん さま《1》

>◇「参加作」を読もうと思った理由:あり


 かなりのハードさを感じさせる内容でありながら、どこかロマンを感じさせる、そんな絶妙な〝あらすじ〟に強く惹かれました。〝生体ユニット〟という響きも最高にサイコで非常に良いですね。ロボはともかくミリタリの知識はゼロに等しいですので、本作から知識を吸収させていただくつもりで拝読させていただきます。


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 最初にご報告というか、お詫びを申しあげさせていただきます。


 じつは本作の感想は、かなり早期に書き始めていたのですが、途中で〝「読みながら考察や推理をした内容」の掲載:なし〟のオプションを、完全に見落としていたことに気づきまして。すでに書きあげていた感想は「ほぼ考察まみれ」のものでしたので、改めて書き直しをさせていただきました。大変失礼いたしました。


 そして、今回の感想はこれまでのものとは違い、「書かれている内容を素直に受け取った私の反応」といったていでの感想を書かせていただきます。そのため感想の密度は「かなり薄め」となっておりますことを、先にお伝えさせていただきます。


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>本編/プロローグ/0話 手記:フォーキンシリーズ11号機


 まずは世界観の説明ですね。一気に物語の世界へ引き込まれますので、この形式は大好きです。〝集団の成長の末に訪れる分断〟これも非常に共感できる言葉です。また、地球が終末を迎える原因ですが、本作では〝戦争〟とのこと。


 惑星〝ドナート〟を舞台に〝統一連合政府〟と〝独立国家:テレストリス〟が武力衝突する。そして〝アセラント・フォーキンシリーズ〟という人型ロボット兵器が戦況の鍵を握っている。この〝11号機〟なる存在が物語の主軸となりそうですね。専門用語の数や出し方にも心遣いを感じますし、非常に読みやすいです。


 そして最後の締めの言葉によって、これらの解説が「誰かの独白」であることがわかります。こういう演出は〝良い意味で〟鳥肌が立ちますね。ワクワクいたします。




>第1章/1話/出撃――門出


 前書きからのスタートですね。こういった前書きを忌避する方もおられるとは思うのですが、私は書き手の心遣いが感じられて好きですね。読み手への理解を重要視しておられることが伝わってまいります。


 前書きへの回答ですが、今のところ専門用語は問題なく理解できておりますので、大丈夫だと思います。説明が過不足なく丁寧でしたからね。



 ここで〝イレヴン〟という人物の登場ですね。前回の〝11号機〟と深く関係している予感がしますね。イメージ的には少年か、成人したての若者といった印象です。


 この通知音声の応酬も、世界観の構築にも一役買っておりますね。残念ながら私には意味がわからなかったのですが、それでも「読んでいて楽しい」という面白さがありました。「お、なんかすごい所に来たぞ!」という気分になりますね。


 そして上官らしき人物により、出撃を命ぜられたイレヴン。夕焼けを飛ぶ〝白鳥〟の姿を見た際の反応から、彼が白鳥を知らないことも窺えますね。生物そのものが珍しいのか、それとも与えられる情報を制限されているのか。先ほどまでの物々しい雰囲気と正反対の、解放感のある美しい光景が印象的でした。




>2話 実戦テスト:ティニア岬基地強襲


 戦闘の場面ですね。〝フォーキンシリーズ〟という人型兵器の強さがよくわかります。ミサイル、ライフル、レールガン、そしてバリヤを装備しているようですね。兵器ということで、残弾数の表示もあります。これは緊迫感が増しますね。


 そしてエリート機〝アセラント〟との対決です。戦闘の様子がイメージできる素晴らしい描写力でした。両者が同種機であることや、こちらが〝切り札〟を有していることも判明いたしましたね。最初のバトル展開としても、非常に面白かったです。




>3-1話 蟻が見たもの


 がらりと場面が変わり、今回は独立国家側のようです。ジャンク拾いで生活をする少女の姿が描かれますね。彼女の名前が〝アンリ〟であり、そして〝ユウスケ〟という人物がいることもわかります。これらの名前などからも、かつての国家がどのように分布したのかがわかってまいりますね。興味深い世界観です。


 そしてさきほどイレヴンがいた〝ティニア岬〟の名前も出てきました。白い機体に救われるアンリ。ここでニアミスといったところでしょうか。二人が出会うことになるのか、どういう関係性になるのかという点も〝良い意味で〟気になりますね。


 この場面は特に、情景描写が印象的でした。ガラクタまみれの大地にしがみ付きながらも懸命に生き抜く、生命力の強さを感じましたね。




>3-2話 蟻が見たもの


 壊滅した〝ティニア岬基地〟へ到着したアンリ。そこで行動不能となった〝白いアセラント〟を発見する、という始まりですね。


 ここでのアンリの台詞と行動から、彼女が心優しい人物であることが察せますね。彼女への好感度が急上昇です。また〝銃の痛みを以って躾ける〟という言葉も心に残ります。そして、ついにイレヴンの容姿も明らかになりました。私の予想とは違うというか、まさに予想外でしたね。〝良い意味で〟驚きの展開の連続です。




>4-1話 「ネスト」


 ネストという名の〝多目的組織〟が登場いたします。普段聞き馴染みのある言葉がまったく違う顔色を見せるという点も、SF作品の醍醐味ではないでしょうか。説明からも、どういった組織であるのかを察することができますね。


 この組織において、アンリはかなり可愛がられている様子。血縁者同士ではない、少女と年配者の交流。こういった雰囲気はいいですね。まさにメカものが好きな読者の心を、よくわかっておられると感じました。


 基地の場面においての内面描写と違い、第三者からの視点ですと、イレヴンはかなり儚げな印象を受けますね。かれがどういったポジションに納まるのか、今のところは想像もつきません。もちろん期待感という〝良い意味〟でございます。




>4-2話 「ネスト」


 メカオタクの〝ニコル〟が大暴走といった感じのスタートですね。彼女に対する印象としては、私も年配者たちの意見とハゲドウです。とはいえ、このニコルも重要なポジションの人物であることは明白ですね。私の経験と勘が告げています。


 一方、ネストのボスである〝シャルロッテ〟は、イレヴンの処遇に頭を悩ませている様子。仲間たちからの態度からもやり手であることは察せられましたが、物事を冷静に見極めることのできる優秀な人物であるようですね。ここでの彼女の呟きが、なんとも味がありますね。大好きな台詞です。


 最後に登場した〝ファットマン〟の名は、個人的には嫌な感じですね。戦争モノでこの名といえば、日本人が連想するものは一つしかありませんから。ここまでの没入感が素晴らしかった分、少し現実へと引き戻されてしまった気がいたします。




>4-3話 「ネスト」


 イレヴンの解説からの開始です。まさに生体ユニットといった生い立ちですね。しかしながら、ここは可哀想という感情よりも、ワクワク感の方が勝ってしまいました。物語への深みが増すという点でも、良いタイミングであったと感じます。


 ニコルが作製したヘッドセットの説明の場面なのですが、同じ文章が繰り返されておりますね。誤字であると思われますので、よろしければご確認ください。


 ここは少し重い場面ですが、物語の展開としては必然でもありますね。しっかりと「生きた人々」の様子が描かれており、私は好感を持ちました。ただ可愛いだけで何でも受け入れられるわけではないという、そんなリアルさが伝わってまいります。




>5-1話 調査部隊迎撃


 イレヴンが自発的に出撃を決める場面ですね。とても熱いです。そしてニコルも期待どおりの活躍をしてくれます。


 やはりコックピットの場面が、読んでいて一番楽しいですね。限られた武装の中、工夫を凝らして戦う様子は非常に臨場感があります。まさに機体と一心同体であるという点も大きいですね。カメラの切り替わりにも違和感がありません。


 また、アンリをはじめとした仲間たちとの連携も良いですね。シミュレーションでは成しえなかった戦い方、真の意味での実戦を学んだといった瞬間ですね。


 そんなイレヴンが〝自身の機体の使い道〟を見出したという場面にて、またしても例の名前が登場します。どうやら機体名のようですが――。


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 さて、〝5-1話〟ということで、〝引き〟の場面でもあるのですが。ここで一旦、各エピソードの感想を終えさせていただきます。あとは次のページにて、各オプションに基づいた感想のまとめを述べたいと思います。

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