第18話:ナマモノの足と、世間の流行りの共通点

やたらと大磯の話が書ける。するすると思いが突いて出る。

次の大磯町議会議員選挙に立候補しても、少しくらいの演説はできそうなほどに。

愛する思いは傲慢だ。


大磯ロングビーチのプールサイドの飲食店は、毎年あまり変わらない。

あまり入れ替わらないが、毎年まったく入れ替わらないわけではない。

メニューもあまり変わらないが、毎年まったく変わらないわけではない。

この状態を「安心」と捉えてよいのか、「慢心」とすべきかの答えは出ない。


毎年少しの変化はある。

世間の流行りから大股で三歩半くらい遅れた食べ物が並んでいたりする。

「大人になってからの暮らし」をモデル化した、素晴らしい戦略だ。

毎年それほどには大きく変わらないし、前に流行ったくらいが諸々取り入れやすい。


ランチタイムと水中点検タイムが来ると、各店舗には水着姿が長蛇の列をなす。

「昨夏からの少しの変化」にも、「ちょっと遅れた流行もの」にも、誰もあまり気を留めないし、怒ったりもしない。

少し値上がった金額にも、へたをすると気がつかない。


もし来夏、流れるプールの真ん中で「回転寿司」がオープンしたら、

攻めたなぁ…とは思うだろう。

でも双方流れに乗ってしまうから、長蛇を逸するかもしれない。


早くなくても、いろいろいいか。

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