第6話

ガチャ、と扉が開く音で目が覚める。



「寝てたん?珍し」


「…最悪な夢見た」



部屋に入ってきた璃冬は、少し驚いた顔をしながら俺を見る。



「これ、新しい資料」


「…あぁ、ありがとう」



凛寧が攫われてから2年が経った今、捜査は難攻不落で中々見つからない。


いや、正確には踏み込めない。



「凛寧…」


無意識に名前を呟くことが増えた。


名前を呼べば、返事をしてくれる気がして




だけど、あの可憐な彼女はいない。

現実を叩きつけられ毎回落ち込む。


なんで、2年も経っている…

俺はなにをしているんだ…



「…鈴峯のためにもこれから鈴蘭会の事務所行くぞ」


「おぅ…」



気弱な返事をするなと、璃冬に喝を入れられる。



俺の凛寧…


必ず助け出すから待っていて…

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