竜去りし地の物語
権田 浩
前作未読の方、途中で止めちゃった方、あるいは読んだけど忘れちゃった方のためのあらすじ
『最後の竜騎士と黄昏の王国』は、最後の竜騎士の旅とファランティア王国の黄昏の時代、二つの軸を周辺人物も交えて視点を変えつつ描いたお話でした。
ここでは黄昏の王国パートに絞って、あらすじでご紹介します。古い作品ですが、興味をもたれましたら是非ご一読ください。
〈竜の葬儀〉
千年のあいだファランティア王国を守護してきたドラゴンの最後の一柱、金竜ブラウスクニースが天寿を全うし、葬儀が行われる。
〈サウスキープ奇襲〉
南方のエルシア大陸からファランティア王国の南にある沿岸都市国家群までを版図におさめるアルガン帝国が、その機を待っていたかのように侵攻を開始し、王国最南端の町サウスキープが襲撃される。自由騎士ギャレットは住民を連れて脱出する。
〈ホワイトハーバー占領〉
時を同じくして、ファランティア東部にある最大の港町ホワイトハーバーが帝国軍に占領される。
〈クライン川の会戦〉
南部総督グスタフ公の居城、ブラックウォール城に逃げ延びたギャレットは王国軍の一員としてクライン川で帝国軍を迎え撃つ。しかし戦術を持たない王国軍は、統合部隊戦術を駆使する帝国軍に惨敗する。敗走した王国軍はブラックウォール城に籠城し、帝国軍は包囲網を完成させる。しかし帝国軍は攻城戦も進軍もせず、南部を我が物顔で荒らして回る。
〈東部街道の戦い〉
ホワイトハーバーからも帝国軍が進軍を開始し、ハイマン将軍率いる王国軍が迎え撃つ。ここでも戦術の差で王国軍は危機に陥るが、北方の王ブランが救援に駆け付けて帝国軍を退ける。ファランティア国王テイアラン四九世は降伏勧告を拒み、戦争継続を決める。
〈北方連合王国の成立と、ファランティア王国との同盟〉
北方には四人の王がいたが、アルダー地方の王ブランを上位王として連合王国を樹立させる。ブランは北方人にとって父祖の地であるファランティア王国を救うべく同盟を申し入れ、テイアラン四九世はこれを受け入れる。
〈テイアラン四九世の暗殺〉
テイアラン四九世の暗殺を目論み、帝国は存在が秘匿されていた魔術師部隊を直接寝所へ送り込む。その場を逃れたテイアランはブランに助けを求めるが、これを天時とみたブランは彼を殺害する。公式には、テイアラン四九世は帝国の間者によって暗殺されたとされる。
〈テイアラン五〇世の即位〉
四九世に子は無く、王妃アデリンが五〇世として即位する。暗殺の真相を知る彼女は怯え、疑心暗鬼に陥る。以後ファランティア王国軍の実権はブランが握る。
〈帝国の秘密〉
アルガン帝国は魔法排斥を唱えるミリアナ教と強く結びつき、エルシア大陸にはびこる魔獣を討伐して人間世界を回復させながら勢力を拡大した国家である。しかし魔術師でなければ対処できない事態に備えて密かに生き残らせていた。管理者であるセドリック枢機卿は秘密を知る自身諸共、用済みになれば抹殺されると考え、身を守るための力を求めていた。そして、それと知らず、かつて魔獣を生み出したナイトエルフの魔法装置「魂の炉」を発見して稼働させてしまう。
〈聖女軍の誕生と拡大〉
帝国軍輜重隊の隊長マイルズは敬虔なミリアナ教徒であり、今回のファランティア王国侵攻に疑問を抱いていた。南部にて地元民に襲われた彼は、襲撃グループのリーダーらしき娘クララを聖女ミリアナの再臨と妄信し、帝国兵の信仰心に訴えて味方へ引き入れ始める。ファランティア人難民と帝国軍脱走兵らが同居する奇妙な集団は拡大していき、聖女軍と呼ばれるようになる。
〈ブラックウォール城解放戦〉
聖女軍はブラックウォール城の包囲網に穴を開け、籠城していた王国軍とも協力して包囲軍を撃退する。
〈テッサニアのロランド北進する〉
南部沿岸都市国家群はかつてテッサニア王国と呼ばれていた。その王族の末裔であるロランドは帝国への従属後、執政官となっていた。皇帝レスターの命により、自ら軍を率いて王都へ進軍を開始する。
〈第二次クライン川の会戦〉
聖女軍・王国軍が、北進するロランド指揮下の帝国軍と再びクライン川にて激突する。戦闘中にクララが射殺されたことで、前衛を務める聖女軍は崩壊。なし崩し的に王国軍も敗走する。避難民に潜んでいたロランドの手の者がブラックウォール城の門を確保し、籠城を阻止。ブラックウォール城は陥落する。
〈キングスバレー陥落〉
北進するロランドは、古都キングスバレーにて西部総督トビアス・ハイドフェルト公率いる王国軍を打ち破る。
〈皇帝レスター出陣〉
東部ホワイトハーバーより皇帝レスター自ら出陣する。対するハイマン将軍指揮下の王国軍はブラン上位王の指示により、射程に優れる長弓を活用した後退戦術を用いる。これは帝国軍を王都ドラゴンストーンに誘い込むための作戦だったが、ハイマンには知らされていなかった。
〈王都の戦い〉
ドラゴンストーンの各門は早々に陥落し、戦場は都内へと移る。王都も民も犠牲にしてレスターの首を狙うブランの思惑に気付いたギャレットは、民を守るためにブランと決闘をする。北方人の慣習に従い、ブランはギャレットの要求どおり停戦を申し入れる。レスターはこれを受け入れる。ロランドはかねてよりの病が悪化し、戦場にて病死する。テイアラン五〇世は自害に失敗したのち行方不明となる。
(もう一つの王都の戦い)
旧ブレア王国の廃墟となった王宮地下にて、二人の選ばれし者が激突。王都の廃墟は黒い球体に包まれて、「魂の炉」ともども一瞬にして消滅した。このことは一般に知られておらず、ただ、半球状に穿たれた大地が残るのみである。
〈ファランティア王国の滅亡と領土分割〉
王統は北方連合王国(すなわちブラン上位王)に継承されたことになっているが、事実上ファランティア王国は滅亡する。北部総督領は北方連合王国の一部となり、それ以外の領土は帝国の属領となった。
そして……
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