第13話

それからしばらくして数日後


『あいちゃん、ちょっとお使い頼めるかな』


洋太はいつもように絵本の製作をしながら片手に封筒を取り出した


『ん、ああ、いいよ、何だ、何のお遣いだ』


封筒を受け取るあい


『それを速達で出して来て欲しいんだ』


洋太は背中越にお使いの説明をした


『ああ、分かった、じゃあ郵便局行けばいいんだな』


『うん、ごめん今ちょっと手が離せないんだ、頼んだよ』


『分かった、よし、じゃあひとっ走り行って来るよ』


そう言ってあいは部屋から出て行った


洋太の用事を済ませ家に戻る途中、TVCMの商品の事を思い出しコンビニに立ち寄る


コンビニを出て少し歩くとある病院(産婦人科)の前で偶然にもばったりもえみに会う


『あ、あいちゃん、久しぶり』


笑顔であいに手を振るもえみ、その好意と存在に気付き


『あ、もえみちゃん、久しぶり』


最初に声を掛けられた事が先立ち、電話を掛けて来た事を聞き忘れていた


『どうしたの?こんなところで』


二人は立ったままその場で会話した


『あ、うん洋太にお遣い頼まれちゃってさぁ』


その後二人たわいもない話で軽く盛り上がった


お互い二人別れた後であいが気付く


『あ、しまった、何で家に電話掛けてきたのか聞くの忘れてた、ま、いっか、そんな大した事じゃねぇだろう』


あいは勝手に自分で思い込み、その時深く考えなかった

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