第13話
何と、若いお兄さんがラジカセのボリュームをマキシムにしてご乗車なさったのだ。そのラジカセは普通屋外へ持ち運ぶことはあまりないと思われるような大型のものであった。割れんばかりの音、ラップ系の音楽に身を揺すっている。乗客全員目が点、おそらく「切れている」であろうこのお兄さんに注意する者は当然いない。乗り込んできてからすぐにドアが閉まり、発車してしまったので逃げ出すことも出来ず、皆ご一緒することになってしまったと言う状況だ。
ここまで派手にやられると諦めもつくというものか。近くにいた若い女の子二人連れ、最初顔を見合わせて同じようにあっけにとられていたのだが、しばらくして「でもさあ、センスいいじゃん、あの曲ぅ」「そうかもねえ」。
きみたちには勝てん。2001.7.16
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